動く関節と安定させる関節

〜ジョイントバイジョイント理論で考える身体の不調〜

🔹ジョイントバイジョイント理論とは?

「ジョイントバイジョイント理論」とは、アメリカのトレーナーであるマイク・ボイル氏やグレイ・クック氏が提唱した考え方です。
人間の身体の関節は 「動くことが得意なモビリティ関節」「安定することが得意なスタビリティ関節」 に分かれており、それぞれ役割があるという理論です。

  • よく動く関節可動性を重視
  • 安定する関節 → ぐらつかず支える力を重視

この役割分担が崩れると、身体の不調や痛みにつながると考えられています。


🔹身体の関節の役割一覧

具体的にどの関節が「動く」のか、「安定」なのかを見ていきましょう。

  • 足首(動く)
  • 膝(安定)
  • 股関節(動く)
  • 腰(安定)
  • 胸椎(背中)(動く)
  • 肩甲骨(安定)
  • 肩(動く)
  • 肘(安定)
  • 手首(動く)

このように動く安定動く安定と交互に並んでいます。
つまり、人間の身体はバランスよく設計されているのです。


🔹役割が逆転するとどうなる?

問題は「動くはずの関節が動かなくなる」または「安定するはずの関節がぐらつく」ときに起こります。

例えば…

  1. 足首が固くなる(動かない)
     → 膝に余計な負担がかかり痛みが出る
  2. 股関節が硬い(動かない)
     → 腰が代わりに動きすぎて腰痛に
  3. 胸椎(背中)が動かない
     → 首や肩が無理に動き、肩こり・首痛に

このように 「本来の役割が崩れると、周りの関節に負担が集中して痛みになる」 のです。


🔹日常生活でよくある不調と関節の関

🚶‍♀️歩くと膝が痛い

足首や股関節が硬く膝が余計に動かされていることが多い

💻デスクワークで腰が痛い

股関節が硬くなり腰が動きすぎている状態

😣肩こりがひどい

背中(胸椎)が動かず肩や首が頑張りすぎている


🔹改善のためにできること

痛みのある場所を直接ケアするだけでなく、 「本来動くべき関節を動かす」 ことが大切です。

✅足首が硬い人にオススメ

  • ふくらはぎのストレッチ
  • つま先立ち運動

✅股関節を柔らかくしたい人にオススメ

  • 仰向けでの股関節回し
  • お尻のストレッチ(梨状筋ストレッチなど)

✅背中を柔らかくするために

  • 胸を開くストレッチ
  • 四つ這いで背中を丸めたり反らしたり(キャット&カウ)

🔹まとめ

  • 関節には「動く」「安定」の役割がある
  • 役割が崩れると、周りの関節に負担がかかって痛みが出る
  • 痛い場所だけでなく、原因の関節を見直すことが大切

身体の痛みは「その場所が悪い」とは限りません。
本来の役割に戻してあげることで、自然と不調は減っていきます✨

👉最後のイメージ画像(元気に歩いている人、笑顔のイラスト)


📝 この記事を読んで「もしかしたら自分も…」と思った方は、ぜひ足首や股関節、背中の柔軟性をチェックしてみてください。
セルフケアで改善することもありますし、なかなか良くならない場合は専門家に相談するのがおすすめです。

この記事を書いた人

管理人

⚫︎柔道整復師(国家資格)として
ケガの処置やリハビリを行っています
⚫︎自分自身が繊維筋痛症(全身に痛みを伴う疾患)を経験したことや家族(祖母)の介護を通して、体や治療に興味を持ちこの道へ
⚫︎神奈川のリラクゼーションサロンで働いたあと、
柔道整復師の養成校へ進学
⚫︎卒業後は東京・神奈川の整形外科で10年間勤務
 - 骨折や脱臼の処置
 - リハビリのサポート
 - 診療のアシスタントなどを経験
⚫︎「治してもらう」だけではなく、患者さん自身が体の使い方や生活を工夫することの大切さに気付き、『患者さんが半分、術者が半分頑張る治療』をモットーに日々取り組んでいます。